| 第五十九回 |
5月4日(金)参加者16名 |
テーマ
テーマの見つけ方
エッセイ作品では、テーマは重要な要素です。作者のヘソのう(体験、考え方、精神生活、人生観など)と結びつく必要があります。テーマが明瞭になれば、読者のなかに、印象に残る作品となります。
「テーマって、なんですか」
それは作者が最も言いたいキー・ワードです。条件として、「一つの言葉」で表現できることが重要です。
多くの人は、書きたい話の内容(ストーリー)はしゃべれても、書く上で重要なテーマとなると、覚束ないものです。
『前々から書きたかったもの、書き残しておきたいもの、突如としてひらめいたもの』それが次のものだったとします。
*「台風の接近で客船が大揺れし、船酔いするし、大変な旅だったの……」→ 作品化するとすれば、テーマは何ですか
*「エスカレーターで転倒して、救急車で運ばれて、五針も縫ったのよ……」→ 書きたいテーマは何ですか
*「福島のしだれ桜を見に行ったら、綺麗で、感動したわ。それを書きたいわ」→ 明瞭なテーマはありますか
このように書く段になっても、書きだしても、テーマが絞り込めていないのが普通です。
【テーマの絞り込み方法】
@ 初稿は荒書(荒削り)で、初めからきちんと書こうとしない。
A ひと通り書いたならば、ラストの周辺で、作者として最も言いたい言葉(テーマ)を探す。
B 最後の一行にその「テーマ」の言葉を組み込む。そして、2稿を書いていく。そうすれば、テーマが絞り込めた作品になります。
C 題名にも使うと、さらなる効力を発揮します。
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| 当教室は、来月60回目を迎えます。西原講師は、ご自分のHP『穂高健一ワールド』で、そのことを紹介したいと、今回プロの滝アヤさんに撮影を依頼されました。出席者の16人は、若干緊張気味に演習の発表と、作品の批評を行いました。 |
| 第五十八回 |
4月6日(金)参加者15名 |
テーマ
文章のリズムと流れ
文章にはリズムが大切です。文章のリズムが良いと、エッセイ作品に味が出てきます。読み手の頭のなかに、心地よく言葉が入っていきます。文章のリズムが悪いと、起伏がなく、単調で、読み難くなります。
【ポイント】
A 長い文章(ロング・センテンス)の後は短い文章にする。短い文章が続くと、長い文章にする。これがリズムの基本です。きっちり正確にやりすぎると、却ってリズム感を失くします。
B パラグラフ(複数のセンテンス・各段落ごと)の分量に変化をつけると、作品のリズムをコントロールできます。
2つを常に意識して創作活動していると、個性的な文体と独特のリズム感が生まれてきます。作者名を伏せていても、文章のリズムと流れから、誰のエッセイ作品か判ってくるものです。
【リズムを有効活用する方法】
@ 「文章に勢いをつける」 急ぐ、あわただしく、せっかちに……、こうした状況を描写するときは、ショート・センテンスの連続で処します。読点も多くします。改行もやや多くします。
A 「ゆるやかな流れの文章にする」 のどかな、静かな気持ち……、ややロング・センテンスにします。パラグラフも厚くします。ただし、漢字は少なく、四文字熟語なども避けます。
B 会話文「」「」でもリズムができます。「」がやたら連続し、地の文もほとんど挟まれていないと、薄っぺらな作品になります。
C 大きな声で、作品を読んでみる。ラストまでスムーズで音読できたならば、作品全体に良いリズムが生まれています。
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嬉しいニュースがありました。メンバーの、青山貴文さんが、埼玉県教育委員会主催、埼玉文芸賞【文芸評論・エッセイ・伝記部門】で佳作受賞されました。エッセイ『おやじの背中』です。
「70代以上の、おそらくは実体験を描いた読後ほっと心に残るエッセイである」と講評がありました。クラス一同には大きな喜びと励みになりました。 |
| 第五十七回 |
3月2日(金)参加者16名 |
テーマ
エンディングについて
書き出しが重要であるように、エッセイの結末も映画のラストシーンと同じように大切である。
作品ごとに内容が違うから、結末や着地には定型がない。だが、効果を上げるコツはある。上手なエンディング法としては、全部書き切らないで、その後は読者に想像させてしまうことである。
・結末が良いと、「良い作品を読んだ」という評価になる。
・結末が悪いと、最後まで「期待してきて裏切られた」心境になる。
・結末と結論は違う。結論は論文的で、読者の想像力を奪う。
【良い結末の書き方】
@ 結末ではテーマと結びつかせる。(作者が最も言いたかったことを書く)。
@ 重要な部分、力を込めて描きたいもの、それが最後の一か所にくるようにする。(凝結させる)。
A 書き切った完結よりも、「続き」で終わらせる、というスタンスで臨む。
B 技術的には多めに書いておいて、1、2割ほど手前で切ってしまう。余韻が生れる。(コツ)
C 随所に伏線を張っておいて、ラストで結びつくようにする。
D 期待、希望など、心のなかを表現する。つまり、心理描写で終わると効果的である。
【悪い結末として】
@ 作者が顔を出してきて、結論をつけたり、見方や考え方を「取りまとめ」たりをする
A (心理描写の逆)、説明的で、理屈っぽくなる。読後が悪くなる。
B 最後の1、2行がロングセンテンスで、意味がつかめない。作品全体をつまらなくさせてしまう。
C 最後の数行で誤字、脱字がある。それが引っ掛かって、読後の印象に影響を与えてしまう。
D ダラダラした冗漫な展開のまま、書き過ぎで、切れ味が悪い。
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参加者16名の各作品には、2名がコメントを述べて、その後先生が講評されます。参加者は自分が思ったり、感じたことと、先生の講評を照らし合わせ、仲間の作品から学んでいます。
二次会は教室の続きです。言いたいことを言って賑やかでした。 |
| 第五十六回 |
2月3日(金)参加者14名 |
テーマ
感動エッセイを書きましょう
エッセイを上手に書く。技巧の意識を超越した、「感動するエッセイ」にチャレンジしましょう。
誰もが生きてきた道をふり返れば、必ず他人を感動させる素材をもっています。提出作品の数回に1回は、それを引き出してみましょう。
@エッセイは「他人に読ませる」もの=作者の独りよがりにならない。
A「心の動きをとらえる」もの。=人間の心理を追う書き方。
B「生き方の断面を書く」もの=私の生き方の『へその緒』を感じさせる。
執筆姿勢として、「心的に苦しまずに、書きやすい素材を取りあげた」場合は、出来事の紹介、単なるエピソードという平板な作品になります。読者は、作中の心理を追うほどでもなく、低い評価になります。
独りよがりの作品はどんなに長く書いても、最初の数行、あるいは途中まで読んだら、ポイされてしまいます。【読者とはまったく面識のない赤の他人です】
@ 書き出し、結末、テーマ、題名の4つがリンクされていると、良い作品です。
A さらに圧縮と省略で、文章が磨かれていると、成功作品になります。
B そのうえ、作中に光るところが2カ所あれば、感動作品になります。
感動するエッセイは、「私」自身の逆境やコンプレックスを思い浮かべ、赤裸々になれる勇気から生まれます。書きながら実に辛い気持ちになる。こんなにも私自身を裸にしても良いものなのか。それを押し切って書き抜けると、作品が光ってきます。
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人数も増えてきたので、提出原稿の長さを、エッセイ教室フォーマット(35字×36行)で、最高2枚までと決めました。
本日の参加は会員14名、見学者2名でした。 |
| 第五十五回 |
1月6日(金)参加者15名 |
テーマ
書き出しは作品のいのち
エッセイには特別な作法はない。どんな風に書いても良い。テーマも、ストーリーも自由である。唯一の技法は、『作者は読者のために書く』、それに徹しなければならない。徹底して、作者の独りよがりを排除することである。
書き出しは作品の顔である。名作は書き出しが良く、読者に強く印象で残っている。……平家物語、徒然草、雪国、伊豆の踊子、草枕などはいつまでも記憶に残る。案外、その内容は覚えていないものだ。
書き出しは作者と読者との初対面の場である。最初の一行で、第一印象がほぼ決まる。その善し悪しが作品の先入観にもなる。
上手な書き出しは、最初の1行で、次の一行が読みたくなる。逆に、3行も読んで興味がわかなければ、もう完ぺきに放棄されてしまう。
魅力的な書き出し法
@ 情景文(映像的)、あるいは心理描写などで書く。
A 説明文(ビジネス的)はやめる。読者がレポートを読まされる心境になる。
B 作品の前置きはやめる。エッセイ作品は最初から方向性を示す必要などない。作品の底が割れてしまう(読まなくても、結論が見えてしまう)。
C 最初のパラグラフ(3〜5センテンス)は、知恵の小出しで書く。最初の1行では内容が解らない。次の行を読んでみたくなる。さらに次へ、と連続展開を重ねると、主人公「私」がどう処すのか、とつよいリード文になる。
D 作者自身の五感による文章で書き出す。慣用句(雨後の筍)、ことわざ、比喩(〜ような)、手あかのついた文(幸せな一生だった)は排除する。
E 著名人の引用文から入らない。他人の褌(ふんどし)を借りた陳腐なエッセイになる。作中でも使わないほうが良い。(作者の能力の方が劣る証明になってしまう)
上手なエッセイ技法は、2稿の再構築で決まる。
@ 初稿を書き終えたら、まず結末にテーマを持ってくる。(無駄な蛇尾は切り捨てる(作者の感想、注釈、その後など)。そのうえで、結末にリンクした書き出しにする。題名の最終決定をする。
A 初稿の原稿用紙の1枚分くらいは切って捨てれば、無駄な助走が取り除かれる。
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本年最初のエッセイ教室・55回を迎えました。新会員清水さん、横手さん2名も加わり総勢15名です。
先生の厳しい指導は作品のレベルアップを指向「作品冒頭の弱い出だしの思い切ったカット」でスタートしました。 |